企業にとって防災はコストか?投資か?
企業の総務部や管理部のみなさま、防災対策を進めたいけど経営層の合意をとれないことありませんか?

防災はコストではなく、企業を下支えする投資
経営判断の場において、防災施策は「利益に直接結びつかないコスト」と捉えられる可能性があります。実際には、災害への備えは企業の信頼・継続性・組織力を支える「経営の土台」であり、中長期的には投資価値のある施策でもあります。
防災をコストではなく投資として捉え直す視点と、社内で合意形成を進めるための考え方をご紹介します。
なぜ防災は「後回し」にされやすいのか
まず認識しておきたいのは防災対策自体、数値化しづらく日常の業務と直接結びつかないという特徴があります。
ちなみに、以下のアンケートを見てもらうと、「災害に不安を感じているけど、備えの行動をしていない」層がどれだけ多いかが分かるかと思います。
もしもプロジェクト 活動アーカイブこくみん共済 coop では、現状と課題に合わせた防災・減災活動をすすめるべく、2024年11月に防災・災害に関する全国都
企業防災においておきがちな問題は…
・設備導入や備蓄にコストがかかる
・災害は「いつ起きるかわからない」ため、緊急性が低く見られる
・災害対応に関する知識が社内に蓄積されていない
・担当者が提案しても「上が動かない」ことで止まる
防災は必要性が理解されていても、意思決定が進みにくい領域です。
経営に響く「数字」で防災を語る
防災を経営の場に乗せるには感情や不安ではなく、数字とロジックで語ることが重要です。たとえば、次のような観点で事業損失を試算してみてください。
1日操業停止した場合の売上損失はいくらか?
主要取引先からの受注停止による影響はどれくらいか?
従業員の出社不能・退職が起きた場合の人件費・採用コストの増加は?

見せ方を変える3つの視点
防災への理解と納得を得る1つのアイデアとしては、「事業を成長・持続させるための施策です」という攻めの切り口も有効です。以下の3つの観点から語ることで、合意形成がスムーズになります。
1、収益の安定性を守る視点
災害によって納品ができず取引先から契約を切られる、あるいは発注が止まる…そうしたリスクは、売上の継続性に直結します。「災害が起きても取引を止めない会社」という姿勢は、顧客やパートナーの信頼を守るうえでも重要です。
2、レピュテーション(評判)リスクの回避
近年は、BCPがあるかどうかが企業間取引の要件になるケースもあります。特に大手企業と取引する際、「災害時に対応できる体制が整っているか」が審査される場面もあります。
3、社員の安心と定着を支える視点
帰宅困難者対応、備蓄、安否確認体制などは、従業員の安心と信頼感に直結します。「非常時にも会社が守ってくれる」という信頼があることは、離職率やエンゲージメントにも影響を与える重要な要素です。
成功体験の積み重ねで「納得」につなぐ
大きな防災投資を一度に実施することが難しい場合は、小さな成功体験を積むことが重要です。
・まずは防災備蓄の整備から始める
・小規模な防災訓練を実施する
・社内報や朝礼で「備えている」ことを可視化する
これらは経営層へのレポート材料としても活用できます。「訓練を行い、〇〇名が参加しました」「〇〇の備蓄導入で災害対応時間を〇分短縮できました」などなど。可視化と報告によって納得の材料を増やすことができます。
もし社内で防災の必要性が理解されづらいと感じているならば、今回ご紹介した視点をもとに、社内での伝え方・仕組みづくりを見直してみてはいかがでしょうか。
それではまた次回。
